10名を超える権利者の利害が複雑に絡み合う物件、権利を一本化し物件本来の価値を反映した価格での売却を実現

物件概要
- ターミナル駅至近の築古ビル3棟
- 土地面積合計:約100坪
- 延床面積合計:約1000坪
- テナント20数社(居酒屋、携帯ショップ、ネイルサロンなどの来店型ショップ多数)
関係者
- 売主:複数地権者(個人13名、法人2社による共有名義)
- 買主:事業会社
- その他:サブリース会社2社
課題
対象物件はターミナル駅至近の好立地であり、売主さまの一部の方は売却を模索していました。しかし、築50年近く経過し、複数世代に相続されたことにより、個人13人、法人2社による共有名義の状態で、共有者同士の関係も希薄となっており意思統一を図るのが難しい状況でした。また、そのような状況は物件の管理状況にも影響を及ぼしており、テナントからの預り敷金に不足が生じていた他、修繕等も計画的に実施されていない状態でした。さらに、権利関係については、マスターリースや転貸が複雑に絡んでおり、相続登記未了や建物未登記であるなど、物件の管理又は売却にあたって、多くの課題を抱えている状況でした。
解決策
■POINT
意思統一を図るのが困難であった関係者間において、どの所有者にも偏ることなく中立の立場で意見調整を図ることのできる第三者を入れたこと。
また、その第三者が、管理、賃貸、売買等不動産の各分野に亘り専門性をもったCBREであったことから、各権利者様にご納得いただける説明・調整が出来たこと。
■解決した課題
- 不足敷金の状況や、マスターリースや転貸が複雑に絡んだ賃貸借の状況等を明らかにするため、過去から現在に至るまでの全ての契約、入出金を分析し、事実を明確化した上で、各関係者へ何度も丁寧に説明を行うことで全ての権利者にご理解ご納得頂きました。
- 上記の分析、説明と並行して、物件の調査を行い、管理上の法的な問題点を整理・解決するとともに、登記関係の整理も行ったことで、売却可能な物件とすることができました。
成果
物件に関する課題だけではなく、特に複雑な権利関係も含めた課題解決を得意としている専門チームを配置しているCBREが、第三者的立場で当事者間に介在することで、客観性・合理性・透明性を示し、粘り強く説明を行うことで複数権利者全体の合意に至りました。
その結果、一体で売却する場合と比較して、権利者がそれぞれ個別に権利を売却する場合、著しく低い価格となるところ、権利者間で意思統一を図り、課題を整理したことで、本来の物件の価値を反映した価格での売却が可能になりました。